郷土のおやつ、鬼まんじゅう。
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東海地方で親しまれる、素朴なおやつ
秋になり、さつまいもがおいしい季節になると思い出す「鬼まんじゅう」。
角切りのさつまいもがごろごろと入った、素朴な蒸しまんじゅうです。
愛知県を中心に、岐阜県や三重県など東海地方で親しまれてきた鬼まんじゅう。子どものころ、おやつに食べた記憶がある方も多いのではないでしょうか。
この地域では馴染み深いお菓子ですが、実は全国どこでも知られているわけではありません。
そんな鬼まんじゅうも、土地に根づいた食文化のひとつです。

どうして「鬼まんじゅう」?
鬼まんじゅうの特徴は、なんといっても角切りのさつまいもが飛び出した、ごつごつとした形。
その姿が鬼の角や金棒を思わせることから、「鬼まんじゅう」と呼ばれるようになったといわれています。
材料は、さつまいも、小麦粉、砂糖など、身近なものばかり。
角切りにしたさつまいもを生地と合わせ、蒸し器でふっくらと蒸し上げます。
さつまいもの自然な甘みと、もっちりとした生地。飾り気はないけれど、どこか懐かしい味わいです。

暮らしの知恵から生まれた味
鬼まんじゅうが広まった背景には、戦中・戦後の食糧難の時代があったといわれています。
お米が貴重だったころ、比較的手に入りやすかったさつまいもと小麦粉を使い、お腹を満たす食べものとしてつくられていました。
その後、農家などで手軽につくれる、腹持ちのよいおやつとして親しまれるようになったそうです。
今ではお菓子屋さんでも見かける鬼まんじゅうですが、その始まりには、身近な食材を無駄なく、おいしく食べようとする暮らしの知恵がありました。
家庭の味として、これからも
蒸し器の蓋を開けると、ふわっと立ちのぼる湯気。
蒸したての鬼まんじゅうを頬張れば、ほくほくとしたさつまいもの甘みが口いっぱいに広がります。
さつまいもの切り方や生地の食感、甘さの加減も、家庭によってさまざま。
特別な材料がなくても、季節の恵みを使ってつくれるおやつです。
当たり前のように食べてきたものが、実はこの土地ならではの食文化だったと気づくことがあります。
東海地方の暮らしの中で親しまれてきた鬼まんじゅう。これからも、秋になると思い出す、身近なおやつであってほしいですね。
