江戸から続く、夏の道具「蚊やりぶた」のこと。
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夏の風物詩「蚊やりぶた」
夏の風物詩として古くから全国で親しまれてきた蚊やり豚。
みなさんはご存知ですか?
豚の形をした陶器に蚊取り線香をくべる、あの道具のことです。
近頃ではレトロブームにもあやかって雑貨店などでも見かけるようになりましたが、じつは江戸時代から続くれっきとした生活道具なんです。
その歴史と魅力を、つくり手の視点からお伝えします。
なぜ「豚」の形なの?
蚊やりぶたの起源には諸説ありますが、江戸時代に中国から伝わった豚の形の香炉が原型と言われています。
豚は多産で縁起が良いとされ、また丸みのある体が煙を穏やかに拡散させるのにも適していました。
また、「火伏せの神」とされていたイノシシに由来する説もあります。
火災を防ぐ願いを込め、姿の似た豚の形になったともいわれています。
機能と縁起が重なった形。
それが今も変わらず受け継がれている理由のひとつなのかもしれません。

使い方は、いたってシンプル
蚊取り線香を渦巻きのまま、または折って短くしてから豚の中に入れます。
背中の穴から煙が出るタイプと、口から出るタイプがあります。
近年では、短時間で使い切れる小巻タイプの蚊取り線香もあり、
暮らしに合わせて使いやすくなっています。
火をつけた線香を入れるときは、豚を横に倒して入れると安全です。
使い終わったら灰を取り出し、風通しの良い場所で保管しておきましょう。

陶器製ならではの良さ
蚊やりぶたには陶器・金属・プラスチックなどさまざまな素材がありますが、陶器製には独特の良さがあります。
陶器は熱をゆっくり蓄える特性をもつため、線香の燃えすぎを穏やかに抑えてくれます。また、煙が外側に直接触れないので、置いている棚やテーブルへのダメージも少ない。
そして何より、その佇まい。食卓や縁側に置いたとき、夏の風景によくなじみます。
かもしか道具店の蚊やりぶた
蚊やりぶたの産地としても知られる、萬古焼の産地・三重県菰野町。かもしか道具店では、この土地に根づく焼きものの技術を活かし、陶器の蚊やりぶたをつくっています。
厚みのある陶器は蓄熱性が高く、線香の熱を均一に保ちながら、ゆっくりと煙を漂わせます。
色は白・黒・グレーの3色でサイズは2展開。
和洋問わず、さまざまな暮らしの風景に馴染む色合いと大きさを揃えています。
毎年夏になると、スタッフのもとには「今年も出しました」というお客さまからの声が届きます。
年に一度使う季節の道具として、暮らしの中に根づいていることをうれしく感じています。
